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映画 【SAYURI ~Memoirs Of A Geisha~】 について綴る8回目の記事です。
(※関連ログ⇒1回目 / 2回目 / 3回目 / 4回目 / 5回目 / 6回目 / 7回目 / 9回目 /    
        10回目 / 11回目 / 12回目-最終章-

先日鑑賞した 【 SAYURI -さゆり- 】 と、私が実際に見聞きしてきた現在の花街事情とを比べながら
シリーズでお話しています。
※ ネタバレの可能性があるので、鑑賞してから読んだ方がいいです‥


五花街の舞踊

SAYURIが花道で主演として踊る会‥【華をどり】
こうした舞踊の会は 京都に5つある花街で 毎年、 それぞれの花街にある歌舞練場でそれぞれに開催されます。

五花街の舞踊会~開催日
(花街によっては、毎年開催日が多少前後します)

●祇園甲部⇒ 「都をどり」 4月1日~30日 /1日4回公演 (井上流)
●先北町⇒ 「鴨川をどり」 5月1日~24日 /1日3回公演 (尾上流)
●宮川町⇒ 「京おどり」 4月5日~20日 /1日3回公演 (若柳流)
●上七軒⇒ 「北野をどり」 4月17日~25日 /1日2回公演 (花柳流)
●祇園東⇒ 「祇園をどり」 11月1日~10日 /1日2回公演 (藤間流)

踊りの流派が異なるので、舞踊の会を見比べると違いがわかるかも?いや、ぶっちぁけ普通はわかりません♯
でも、ただ一つだけハッキリと言えることが‥。  ?ヾ(゜ー゜ヾ)^?。。。ン?
日本の舞踊は、「舞」 と 「踊り」 に分けられ、私が所属していた "祇園甲部" だけ 「舞」 です。
能楽の影響を受け、能面のように顔には一切表情を作らず、極力省略された動きの中で見せる繊細優美な
振りが特徴。他の流派は全国に広まっているのに比べ、井上流は京都の祇園にしかないので(門外不出)、
習うなら祇園まで通わないといけないんだょ。なので、「京舞」 という言葉は、 この井上流のことを指すのですぅ。
祇園甲部以外の他の花街は 「踊り」 と呼ばれ、江戸で生まれた歌舞伎系の流派なので、歌舞伎のように動きも大きいというか華やかな振り付けで、顔に表情を作ったりもするんだって。
SAYURIは、祇園を舞台にした物語だけど、あの踊りはあきらかに 井上流(舞)じゃないことがわかります。
ロブ監督が坂東玉三郎さんの踊りに惚れたらしいし、アメリカでは有名な振付師と相談しながら伝統舞踊の美しさの中にも芸術的モダンな映像美を出したかったとか。
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す、すげぇ~!! 花道で雪の嵐!ってゆぅか、京都ではありえないからっ(笑)


都をどり -祇園甲部-

舞妓&芸妓、そしてお茶屋&置屋の数は最大規模を誇る街だけあって、「都をどり」 は他の花街で開催される
舞踊の会よりも長く、丸々1ヶ月間の公演!
そして、 12:30/14:00/15:30/16:50 ~の1日4回公演!1回の公演は1時間、幕間休憩は30分。
もちろん、4回目の公演が終了したら、着替えてすぐに夜のお座敷へ‥門限のAM1時までビッシリ働かされ、
そして翌日は午前中に髪結いさんへ行き、白塗りして楽屋入り‥
毎年4月の1ヶ月は、お座敷もすごく忙しく、休む間がない地獄の日々なのですぅ ウウ‥[壁]ノ_<。) グシュ
舞妓とかの若い間とか、踊りのウマイ人は出番が多く、私は最高で27日間出演したことがあります。
朝から白塗りした状態で、夜中まで‥白塗りの説明は こちら にあるけど、お相撲さんが髪につける 鬢(びん)付けの油を下地に塗るので、皮膚呼吸ができないために肌にはめちゃくちゃ悪影響。私の素ッピンを見た人は知ってるだろぅけど、長年肌を痛めつけたことが勲章のように今でも汚い肌として残ってるんよ。 。・゜゜・(≧д≦)・゜゜・。
元はといえば、明治5年(1872年)、京都で内国博覧会が開催されたとき、余興として舞妓&芸妓の踊りを
披露しようと開催されたのが 「都をどり」 の始まり。
当時から30~40日間の長期に渡って公演され、SAYURIでもあったように戦争で一時は休演。
そして終戦後に復活し、現在までに130回以上の公演が行われてるそーです。
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都をどり -総踊り-

「都をどり」 の特徴は 『都をどりはぁ~~ヨーイヤサァ~~!!』 とのかけ声と共に 両方の花道から 同じ衣装、
同じかんざしを身につけた 舞妓が20人歩いて出てきます。これが うちらの専門用語なんだけど "総踊り"
東のをどり子&西のをどり子 共に10人づつで、背の小さい順から並んでいるんだョ。
でも、これは全員舞妓じゃありません!舞妓だけじゃ人数が足りないので、中には若手の芸妓が混じってるの。
この "総踊り" の出番の日は、特別な髪型 を結うことができるので、ある意味、1年に1度の楽しみだったり♪

↓冒頭で西側の花道で踊ってる私 (鼓や太鼓などのお囃子側は、西のをどり子)
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総踊りに出演できる芸妓は~40歳前半ぐらいまでかな。後の芸妓は "中ばさみ" といって、SAYURIみたいに
役がもらえるから、それ専門に出演して総踊りには出ないってわけ。芸妓でも、をどり期間中は自分の毛で舞妓の髪型を結うことが許されていて、パッと見ただけじゃ舞妓と芸妓の区別がわからんよねぇ。でも中には 髪結いさんに早起きで順番待ちするのは しんどいからといって、"かづら" にしてる芸妓もいるんだけど‥
さて、ここで問題です!上の8人の中で芸妓は3人混じっているんだけど、1人だけ "かづら" の人を当ててネ★
なんか不自然だから、よ~~く見ればわかると思うけど(笑)~~回答ヨロシク!(※正解は記事一番下に♪)

↓これは、東のをどり子の時。 東側には地方さん (お三味線のお姉さん) たちが座ってます。
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↓花道で踊る一人舞台のSAYURI、「都をどり」 と近いように再現してるね。
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"はなまち" と、ひらがなで描かれた提灯が笑えるゎ~(ノ∇≦*)キャハッッッ♪
映画では豆葉姉さんが どんな手を使ったのか知らんけど、まだ舞妓(半玉)としてデビューしたばかりのSAYURIが、大きな役をもらったり、ポスターにも1人で写っていたよね。
花柳流や若柳流などの他の流派では お金さえ出せば 名取りさんになれたり、舞踊の会で良い役がもらえるとか。祇園甲部の井上流 (お家元=井上八千代) に関しては それだけは絶対にありえない!
芸の上達に加え経験の年数などで決められるので、名取りさんになれるのは、まァ、若くても30代前半位かな。なので、 「都をどり」 で大きな役、しかも一人舞台なんて大御所にならない限り無理なのだァ~~
ただ、さっきも説明したように "中ばさみ" というのがあって、それは舞妓のうちからでも役が もらえ (舞妓の間は、舞妓の役のみ)、出番によっては舞妓の衣装で踊りますぅ。
総踊りは簡単なように見えて、実は難しい。 横に10人並ぶので、失敗すればスグにわかってしまうし、一つの振りでも決めポーズでも みんなの目線や、肩のおろし方、腰の位置、手の動きなど 微妙に違うでしょ?
わかる人が見れば、誰が上手or下手かが一目瞭然なんだも~~ん。 (/||| ̄▽)/ ゲッ!!!

↓中央の舞台で厳選された10人が踊っているシーン。
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「都をどり」 は1時間の間の中で、第1景~第8景まで、桜や紅葉の四季や、いろんな景色など‥
8場面も舞台が変わります。 (これは毎年変わらない)
その中で、"総踊り" の場面は4つ~5つあって、最初と最後は20人全員出演。
途中のいくつかは、お師匠さんが認めてくれた人‥厳選された10人だけが出演できるので~す。

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ほらっ!! よく見ると、この総踊りの衣装にも 舞妓の衣装と同様に 肩縫い上げ&お袖縫い上げがあるんよ!
普段のお座敷では、顔と首にしか白塗りをしないけど、をどり中は手にも白塗りをするので、1ヶ月間で衣装は
ボロボロのドロドロ。もちろん毎年新調するんだけど‥着物の柄も微妙に毎年違うのだ (左右の画像参照に♪)


でゎ、今日は長くなったので、この辺でやめときますゎ♯
次回⑦を お楽しみにぃ~~バイバイッ♪ヾ(*'ー')*'ー')*'ー')/"
(先ほどのクイズの正解は‥右から7番目の人です (^w^) ぶぶぶ・・・)

【TB】させてもらったニョ♪
活字はこう読む? 雑・誌・洪・積・世

by fuzika | 2006-01-10 15:12 | ◇ 京都祇園@花街生活 | Comments(6)  Mail ↑TOP
Commented by A・C・O at 2006-01-10 21:33 x
fuzikaさま!TB&コメントありがとうございます。
本物の祇園甲部で活躍された方の目に触れるとは思いませんでした。京都は大好きで何十回も訪れ、仕事でも御世話になったことがあります。京舞は四世井上八千代先生が御健在の頃の舞をTVで見て、すっかり優雅な動きに魅せられました。SAYURIは綺麗な映画でしたが、京都の格式や気品を感じることが出来なくて残念でした。あの雪女?の踊りも大衆演劇の女形の踊りみたいに感じていたのですが、板東玉三郎さんの舞踊を参考にしたと知り、少し納得しました。これからも勉強させてください。重ねてお礼申し上げます。
Commented by at 2006-01-11 12:53 x
去年初めて都をどりを観に行きました。
当日券狙いだったので早めに行って自由席で観たんですが、舞台はもちろん建物全体が見れて結構良かったです。最前列だったので、前に足を投げ出してたので楽でしたし(行儀わる(-_-;))
華やかで、煌びやかで、夢中になってたら、あっと言う間に終わってしまった感じでした。
今度は間近で観ようかと計画中。他のをどりも行ってみたいですね。
ちなみに、開場を待ってる間に一人旅のおばさまと仲良くなって、隣り合わせで観覧しました。こういう出会いもいいなあと言う感じでした。
Commented by ツルけん at 2006-01-14 21:50 x
またしても堪能してしまいました。
あの背景にはこんなリアル(現実)があったんですね!
次回も楽しみでっす♪
Commented by fuzika at 2006-01-22 08:19
A・C・O さん>
いえいえ、こちらこそ 興味深く ブログを見させてもらいました。
A.C.Oさんのような記事は他になかったので、ちょっと驚きながらでしたけど(笑)
今は亡き四世のことは 私も同感です。五世がそこまでになれるには あと何十年もの年期が必要かな(笑)
雪女の踊りはまさに大衆演劇!と私も思ってしまいました。
でもその方が明るくて良かったのかも。井上流は知ってのとおり、顔に表情をださないのし、振りも能楽のようだし‥祇園を舞台にしてるからといって同じようにしていたら、本当に暗い映画になってしまう。
今の映像日美は生まれていなかったはずだから‥。


Commented by fuzika at 2006-01-22 08:23
朧 さん>
都をどりレポありがとうっございますぅ。
1時間があっという間でしょ?特にラストは総出演なので 地方やお囃子もいれると50人ぐらいはいるので、見応え十分。
他の花街のおどりで、先斗町の鴨川をどりなんかはセリフがあって、宝塚みたいな演劇って感じ。
なので、初心者が観てもおもしろいと思うけどな。
祇園は顔に表情出さないし、動きは固い感じだし、鑑賞が初心者向にはオススメじゃないんですよ、ホンマは‥。

Commented by fuzika at 2006-01-22 08:30
ツルけんさん>
いつもありがとうございますぅ♪
映画を鑑賞してから このシリーズを見ると、あっ、あのシーンはこうなのか‥と意味がすごくわかってもらえるんじゃないかなァ~って、少しでもみんなの雑学を知る力になってるみたいで、嬉しいですよん。
今、台湾での出版の記事でちょっとお休みしてるけど、あと2回ほどシリーズ完結まで残っているので、もう少しお待ちを!

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