映画 【SAYURI ~Memoirs Of A Geisha~】 について綴る10回目の記事です。
(※関連ログ⇒1回目 / 2回目 / 3回目 / 4回目 / 5回目 / 6回目 / 7回目 / 8回目 /
         9回目 / 11回目 / 12回目-最終章-

先日鑑賞した 【 SAYURI -さゆり- 】 と、私が実際に見聞きしてきた現在の花街事情とを比べながら
シリーズでお話しています。
※ ネタバレの可能性があるので、鑑賞してから読んだ方がいいです‥


先日、ショッキングなニュースがっ!! 『 SAYURI‥中国大陸で上映禁止にっ!! 』
主演女優のチャンツィイー (章子怡) は中国北京出身。着物の着こなし、立ち居振る舞い、
それに踊りのシーン‥日本人でさえも難しい役柄を 彼女は堂々と立派に演じていたと思う。
理由はどうあれ 偉業を成し遂げた彼女が母国で認めてもらえない‥なんて、かわいそうすぎるよォ。o(´^`)o
やっぱり日本人が思っている以上に 外国では 花街の芸者=娼婦‥という昔の悪いイメージのままなんだよね。
でも、中国情報局 のニュースによると、、「 台湾では、最初の週末の興行収入は台北市で1100万台湾ドル、台湾全体では2200万台湾ドルにのぼるなど、好調な滑り出しをみせている 」 とのこと。
C=(^◇^ ; ホッ! 私の本が出版されただけに この映画の台湾での動きが気になったりしちゃいます(笑)
映画のレビューは賛否両論で、やっぱり主演が日本人じゃなかったことに不満を持っている人が沢山いたなァ‥。
なので、今日は予定を変更して (ホンマは⑦の続編で "都をどりネタ" ) チャンツィイーのコトについて語るね。


衣装の種類とチャンツィイーの踊り

チャンツィイー (SAYURI) が "華をどり" という舞踊会で踊ってるシーンのことは以前に綴ったけど、
今日はお座敷で踊る彼女の衣装に注目してほしい。
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映画の中では "半玉(はんぎょく)"‥いわゆる芸妓になる前の見習いさんとして表現しているけど、セリフを聞いてもわかるように 吹き替えの "半玉" 部分が 『Maiko!!』 って 呼ばれてるよね。
そのとおりで、彼女は本当の舞妓の衣装を着ています。
この衣装は冬物で、花街では 【2枚綿入れ】 と呼ばれてるの。
普通、みなさんが着る着物と同じように、舞妓や芸妓の衣装も季節によって生地の薄さや衣装の重さが違ってくるんだけど、襟の部分&袖の部分&裾(すそ)の部分から 青灰色の裏地が見えるでしょ?
全体が2枚重ねになっていて、さらによく見ると裾の部分一周に綿が入っているの。
この綿も冬物は2段になっていて、だいたい8~9kg!~と、それはそれは重たい衣装なんです!
裾の長い引きづりの衣装を着て踊るということは、 "裾さばき" という特殊な動きを踊りと同時にしていかないと、
クルっと回った時などに裾が足にからみついて 身動きとれなくなるし、踏んでしまうと その拍子にヒックリかえってしまうことなんかもあるし、慣れるまではスゴク大変なことなの。

それに加えて、お袖は振袖で長い&だらりの帯も長い‥つまり普通の着物とは全てがあきらかに違うので、
そんな衣装を身につけたチャンツィイーだから、最初は心配になってドキドキしてた私。
だけど、彼女の動き、そして踊りは完璧だった!!
そりゃあ私は師匠でもないし、芸歴も長くないから そんな細かいところまで偉そうに評価はできない。
でも、 あの重たい衣装で苦しいはずなのに‥そんなコトは一つも見えない、
裾さばきの不慣れな動きや、袖&帯の長さによる踊りの違和感だって、私を筆頭に視聴者は何も感じられなかったと思う。彼女の半肩をおろした艶やかな姿、指先までピンと伸びたきれいなライン、舞扇を見事に使いこなしていた華麗な動き‥
私は彼女に心の中で拍手を送っていた、本当にすばらしいと思った。

確かに彼女は8歳で舞踊を習い始め、北京舞踏学院付属中学に入学、在学中にはコンクールで受賞という‥
舞踊というかダンスは得意分野だったということもある。だけど、少なくとも普通の着物よりも特殊で、何十倍も大変な舞妓の衣装を着て 踊ったことは今までになかったと思う。
私は舞妓にデビューしたての頃、あんなに上手に踊れなかった。
舞妓になるまでの約1年の修行期間中は、全て普通の着物で師匠さんに習います。舞妓にデビューした途端に、裾さばきの大変さや 衣装の重さなどを実感するので、慣れるまでには実践をしながら相当時間がかかった記憶があるから‥。
花街一の芸者を演じるために、短期間でものすごい努力をしたんだろぅなぁ~って‥
私はこの映画で彼女を見る目が変わり、彼女のファンになりました☆

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これは衣装の違いを説明しようと思って‥並べてみた♪ 私が3人だぁ~~三つ子ょ \(^▽^)Λ(^▽^)Λ(^▽^)/
真ん中が冬の衣装 (12月~3月) の 【2枚綿入れ】 裾の綿が2段になってるのハッキリわかるよね。
右側が春・秋の衣装 (11月と4月) の 【1枚綿入れ】 裾の綿が1段や、袖、襟などが全て1枚なので、
少し軽くなる。
左側が真夏の衣装 (7月と8月) の 【絽】 裾に綿が入らなくなり、ペラペラなので、踊りは裾さばきをしても足に
からみやすく結構大変。その他に、(6月と9月) の 【単】 があるんだけど、【絽】 とほとんど同様。
ただ生地の薄さの違いぐらいなので、省略しましたぁ。 この画像は舞妓の頃だけど、芸妓の引きづりの衣装も全く同じ季節感ですョ。


知らない人が わりと多いから ちょっと雑学を伝授してあげよう(笑)

お座敷や室内では、チャンツィイーのように裾を引きずった状態で歩くけど、外を歩くときは左手で褄(ツマ)を
持って、そこに花カゴを抱え込み持ちをして歩くのが基本です。
この "褄(ツマ)" って、左褄と右褄があって、うちら舞妓や芸妓たちは左手で持つから左褄。
反対に、花魁などの遊女や、花嫁さん(白無垢)は右手で持つから右褄なのだ。
これには訳があって、左手で褄をもった場合、着物の合わせ目が右になっているため、裾から男性の手が
入りにくいので‥要するに 【芸は売っても 体は売らないのよ】 という意味が入ってるんだって。
反対に右手で持てば、男性の手が裾からすぐに入るから‥遊女や花嫁さん~ふーん、なるほどねぇ。
パシパシパシ (o^∇^o)ノノノ"""Ω ヘェヘェヘェ  (ヘェは3回です♪)


チャンツィイーを私が高く評価してるのは、踊りだけじゃないョ。
舞妓(半玉) の時は初々しさが大事だし、顔の表情や立ち居振る舞いも ちょっとギコチナイ感じに演じているのに、たまにフッ!!っと一瞬だけど 艶やかでシットリしていて気品ある感じも見え隠れしてたでしょ?
それでいて、踊りのシーンでは表情も動きもめっちゃ決まっていて‥会長に恋をしているシーンなんて純粋な女の子そのもの‥。
本当に彼女は この SAYURI 役にピッタリだと思った。
日本人女優で何人か想像してみたものの ある程度着物に慣れている日本人女性なら こんなおぼこい(可愛い)舞妓にはならんかっただろうし、異なる2つの顔を使い分ける演技ができなかった気がするぅ‥

私、ほんとに チャンツィイーに大絶賛です! (* T-)ヾ( ̄▽ ̄) ヨシヨシ 次回⑨をお楽しみにィ☆


ちょっと、話は変わるけど‥上七軒という花街の現役舞妓がブログを公開したそうな。
このブログがすごい!BLOG さんの記事で見つけたんで、参考のためにリンク張っておくね。
⊂((〃 ̄ー ̄〃))⊃ ふふふ  ( ̄ー☆キラリーン 同じ花街関連ネタでも 私の方が断然勝ってるゎ!!
もう、花街をやめたんやから 暴露トークできて当たり前だろ!!~ちゅうーに♯ (・_;☆\(-_-) ポカッ!

上七軒のお茶屋 「市」 舞妓ブログ



【TB】させてもらったニョ♪
亞洲秘密房間(=゚ω゚)ノ / ◆FUNKYオヤジの落書き帳 / ◆中国語奮闘記 / ◆ぐうたら生活。 /
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by fuzika | 2006-01-26 13:06 | ◇ 京都祇園@花街生活 | Comments(22)  Mail ↑TOP
Commented by ツルけん at 2006-01-26 19:55 x
かの大陸はここんとこ何かと偏見が多くて困ります。
でも確かにfuzikaさんのおっしゃるとーり、
母国で上映されないってチャンさん可哀想だよねぇ。
おいらも同意見でSAYURI役は彼女以外にあり得なかったのでは?
思いました。&惚れたー!!☆みたいな。

またお邪魔しますねー。でわでわ。
Commented by zippo at 2006-01-26 20:15 x
TBどうも有難うございます・・!欧米人にとっては日本人も韓国人も中国人も皆一緒って考えなんでしょうね。現在の日中関係などを考えると、やはり公開はしない方が無難でしょうね!たかが映画って中国人は思えないんだと思います!それにしても綺麗な舞妓さんですねぇ~・・・
Commented by fuzika at 2006-01-27 14:55
ツルけんさん>
共感してもらえてよかったぁ~
彼女の才能には驚きです!それなのに中国という国は‥ムッ( ̄‥ ̄)=3
ツルけんさんは惚れてしまったのね(笑)
私も男だったら・・・・(謎)

zippoさん>
このたびはトラバでお世話になり、ありがとうございました!
そうですね、今の時期だと‥でも、そんな中でも、今後どうなるか想像できただろうに、その仕事を受けるチャンツィイーの意力はスゴイなぁ~
母国が敵になってしまうのに‥ ☆≡(>。<)
これをご縁に、今後ともヨロシクでーす♪

Commented by jiuxihuan at 2006-01-28 01:29
TBありがとうございます。
本当の芸妓さんがSAYURI(章子怡)の踊りを評価するなんて、
相当うまいんでしょうね。
しかも衣装もきれいでしたよね。

雑学勉強になりました。
Commented by fuzika at 2006-01-28 11:19
jiuxihuanさん>
いえいえ、こちらこそトラバでお世話になり、ありがとうございましたぁ!!
踊りには腰を据わらせたり、肩をおろしたり‥などいろんな基本動作があって、踊りをしている人なら 彼女のラインや形がキレイなのが一目瞭然だと思いまするぅ。
衣装もスゴクいい刺繍やったと、私も思いますよん。
雑学のコト‥そう言ってもらえると嬉しいで~~す♪
ドモ~♪ヽ(^-^ ) (v^ー゜)ヤッタネ!!



Commented by kirara at 2006-01-28 16:07 x
TBありがとうございます。
元舞妓さんの雑学、すごく参考になりました。本当に「SAYURI」はチャン・ツィーのために作られた映画のような気がします。
他の記事も面白そうなので、時間のある時に読ませて頂きますね。
Commented by fuzika at 2006-01-29 09:13
kiraraさん>
こちらこそトラバでお世話になりました。おおきにィ~
私しか語れない真実だから(笑) このシリーズはすごく好評です。
また、ぜひ遊びに来てくださいニャ♪

Commented by cyokolan at 2006-01-29 17:35
TB有難うゴザイマス。
結果的には残念なことになりましたけど、
いつか中国で問題なく、観て貰える日が来ると信じようと思います。
台湾で公開されましたもの、いづれは中国でもきっと・・、ですよね。

Commented by ママみかん at 2006-01-30 00:51 x
TBありがとうございます。「SAYURI」はまだ観てないのですが、せっかく
自由に観ることができるのだから、ひとっ走り観に行ってくるかなぁと思っています。他の記事もぼちぼち読ませてもらいに来ます!
Commented by fuzika at 2006-01-31 17:43
cyokolanさん>
こちらこそお世話になり、ありがとうございましたぁ~
そうですね。今回の件は本当に残念だったけど、いつか本当の意味での世界平和になって、日本と中国間もきっと‥ね!
わざわざ訪問&カキコおおきにぃ~★"

ママみかんさん>
このたびはトラバでお世話になりました!
この関連記事は映画を鑑賞してから観た方が その時の記憶が蘇ってきておもしろいかと思います。
ほとんどの劇場で今週末で終わってしまうから、ぜひ鑑賞してみてくださいニャ!
(⌒∇⌒)ノ""マタネー!!

Commented by 琵琶 at 2006-02-03 11:11 x
こんにちは。
SAYURIは、本物の舞妓世界と違い過ぎる!という
意見が多いので敬遠していましたが・・
藤花さんの解説のおかげで、見てみたいなあという気持ちが
強くなってきました。DVD出たら買おうかな・・。

↑の舞妓さんの他に、上七軒では、現役芸妓さんも、日記を
公開されてますね。
http://www.nakazato.net/weblog/

個人的には、こちらの方が読み応えが
あって、好みでした。
(舞妓さんて、やっぱ芸妓さんに比べてコメントに規制がかかるのかな)

Commented by fuzika at 2006-02-03 19:16
琵琶さん>
こんにちは。そういうコメントもらえると がんばって綴ってる私にとってスゴク今後の力になりますぅ♪
尚鈴ちゃんのブログは以前から知っていましたァ~ってゅうか、花街にいた頃、街は違うけど、合同の宴会やパーティなどで一緒になったことがあり、お友達させてもらっていたんよ★
うーん、、、私は退いているから、いろんなこと綴れるけど、やっぱり現役の舞妓&芸妓は 語ってはいけないことが多いだろうなァ‥


Commented by Yumiko at 2006-02-07 16:32 x
私2回見ました。2回見ても初デビューの時のお座敷での舞での扇さばきは少し派手だと思っていたのですがあれでいいのですね。チャンツィイーは女性としての可愛らしさと可憐さ、美しさ、慎み深さすべて持ち備えている素晴らしい女優さんだと思います。中国で上映禁止になったのは極端な例ですが(だから中国は嫌)、台湾で好評なのはとても嬉しいです。外国人男性と一緒に見たのですが、彼は一言「悲しい映画だ」と言っただけでした。でも日本女性の美しさはわかってもらえたと思います。日本人女性万歳。こういう時日本人として生まれて心底良かったと思います。ちゃんと躾てくれた親に感謝感激です。
Commented by fuzika at 2006-02-08 14:13
Yumikoさん>
Yumikoさんも2回も?!確かに派手だと思うし、現在の花街で行われているお座敷舞とは違うけど‥
でも、そのままじゃ全てが暗い感じになってしまうので、私はあれでいいと思います。日本じゃなくて、ハリウッドが描いているんだから。
私も同感です。日本人に生まれたから、大好きな和食も堪能できて、そして‥舞妓&芸妓になれたのだから。。。

Commented by kamachi at 2006-02-09 04:15 x
思いがけないトラックバック感謝いたします。
(はじめまして)

>本当に彼女は この SAYURI 役にピッタリだと思った。

SAYURI役が「日本人じゃないのが不満」というのも
耳にしましたがトンでもない偏見ではないでしょうか。

日本人の誰なら納得するのかはわかりませんが
彼女の魅力は充分でていたと思いますし、
舞妓としてあれだけ踊るのは
努力してこその舞だったという点でも評価しています。

そしてストーリーを効果的に演出するかのような彼女の瞳が
好きです。
Commented by kamachi at 2006-02-09 04:18 x
↑表現がちょっとへんですね。
(失礼しました)

あらためてひとつ。
>彼女は この SAYURI 役にピッタリ

同感です。
Commented by fuzika at 2006-02-11 11:59
Kamachiさん>
このたびは、こちらこそトラバでお世話になり、ありがとうございました。
日本人じゃないのが不満!という声ばかりだけど、Kamachiさんのようにわかってくれる人もいるんだァ~って嬉しかったです。
彼女の全てにおいて共感!とは、私とkamachiさんの感性は似ているんやろうね(笑)
これをご縁に今後ともヨロシクお願いします~
(⌒~⌒)ニンマリ

Commented by まるぼろ at 2006-04-02 20:03 x
すでに、聞いた方はいるとは思いますが、「SAYURI」でのチャン・ツイィーさんの髪型ってどうなんでしょう?僕が持っている芸妓さんの頭のイメージ大きく違うのですが・・・・。
Commented by fuzika at 2006-04-11 19:02
まるぼろさん>
お初ですぅ。彼女の髪型はホンマもんとは全く違うものです。
でも、ヘアメイクの専門家が、花街に近いイメージにはしたものの、全く同じものには わざとしなかったそうです。
いつか、舞妓の髪型の画像やお話もしますね!
なんか、とにかく忙しくてゆっくり思い出話を綴るヒマがなくて‥。
気長に待っていてくださいねっ!!
(* ̄▽ ̄)ノ~~ マタネー♪


Commented by まるぼろ at 2006-04-30 16:18 x
わざと違う風にですか・・・。
チャン・ツイイーさんていう女優さん自体好きで作品も面白かったんですがあの髪型がどうにもひっかかってるんです。ちゃんとした髪型にした姿も見たかったな~。なんて一人思ってます。
Commented by fuzika at 2006-05-05 19:03
まるぼろさん>
そうですねぇ~彼女なら、あの京風の日本髪も似合うと思うから。
でも、卵型で顔小さいよね、彼女‥。
映画の髪型も彼女だから似合うんやろうね‥
(私には無理なお話だゎ "p(-x-〃) イジイジ‥

Commented by 京子 at 2008-12-28 21:19 x
舞妓さんってかっこいいー

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