映画 【SAYURI ~Memoirs Of A Geisha~】 について綴る12回目(最終章)の記事です。
(※関連ログ⇒1回目 / 2回目 / 3回目 / 4回目 / 5回目 / 6回目 / 7回目 / 8回目 /
         9回目 / 10回目 / 11回目

先日鑑賞した 【 SAYURI -さゆり- 】 と、私が実際に見聞きしてきた現在の花街事情とを比べながら
シリーズでお話してきましたが、いよいよこれが最終章です。
※ ネタバレの可能性があるので、鑑賞してから読んだ方がいいです‥


えくぼ?

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SAYURIがノブさん(役所)に "えくぼ" というお饅頭のようなものを渡すシーン

蟹の院長 (お医者さん) にも渡していたよね。 この "えくぼ" というものを‥。
映画の中では、水揚げをして欲しいという印として、そのお方にそっと渡す~というようなニュアンスだったけど、
実際の花街ではというか、私が見聞きした時代には こういうものはありませんでした。
だからこの件で何人かに質問(コメント)もらったけど、ぶっちゃぁけ 私にはわからないですぅ。
ただ、私が思うに‥現在では水揚げとか旦那さんになるお話とかは 直接本人同士が話し合ったりする時代だけど、当時は女性から男性にそういう想いを打ち明けるのは大変なコトだったんだろうね。
水揚げされてパトロンを持つような芸妓が何を‥?と思うかもしれんけど、少なくとも舞妓の間は‥
慎ましくて純真無垢な子が多かった時代なんだろうなぁ~って思った。
この本の著者が取材をしていた当時を生きてきた実際の芸妓から、語り継がれた真実なんだろうなぁ~
って思うし、女性はやっぱり男性の3歩下がって歩くような慎ましい人でいてほしい~って古風に考えてしまう私にとっては、これは好きなシーンの一つです。


光のマジックと当時を再現

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今では このようにロウソクの灯りだけで 踊る照明や舞台設置も少なくなりました


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左手前にロウソクの灯りが‥。それでも蛍光灯の灯りで室内はわりと明るいことが多いです


この映画で私が一番素晴らしいと思ったのは、当時の花街を見事に再現している点です。
ロサンゼルスから1時間程離れた広大な牧場に、14週間、175名のスタッフにより街と川を作り上げたそうです。
150年前に作られたような建造物にするために、ヒマラヤ杉、竹、モミなどを日本から輸送し、雨戸やすだれ、屋根のふきわら‥そして小物の数々を京都で購入。
マーシャル監督が重視したのは、 "使い込まれることで生まれる艶や風格" ということで、そんな難事に挑み、
そして素晴らしく再現できたことに拍手を贈りたいですぅ!!
上の2枚の画像を見比べてもらえればわかるけど、現在のお料理屋、お茶屋、置屋は造りは古くても照明が蛍光灯や白熱灯です。映画の中ではお座敷や置屋のシーン全編があんなふうにロウソクの灯りやオイルランプで温かな色合い、そして暗いのに幻想的に見える光のマジックが本当に見事でした。
今まで邦画でも舞妓や地方の芸者さんを題材にした映画は作られてきたけど、明るい感じの照明ばかりで、
雰囲気づくりには欠けていたんじゃないかなぁ~って思います。
今でも、踊る舞台にロウソクの光だけにして、室内の照明を全部消す~というような雰囲気にしてくれるお座敷も
ありますが、でもごくわずか‥。あんなお座敷の雰囲気で私も舞を舞いたい♪~ってゾクゾクしながら映画を観ていた私でしたぁ~ σ( ̄∇ ̄;) わて?


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SAYURI  第78回アカデミー賞6部門ノミネート! おめでとォ~♪♪♪

作品賞や主要部門賞には外れたものの 美術賞・撮影賞・衣裳デザイン賞・作曲賞・録音賞・音響編集賞‥と芸術的部門で6部門ノミネートされたよね。
今までシリーズで語ってきたように 私はこの映画を大絶賛してきました。
でも、世界中のほとんどの人が 身売り=娼婦という悪いイメージとしか見てもらえないし、今回のノミネートでも
芸術部門でしか認めてもらえなかったことが残念です。 (´;ェ;`) ウゥ・・・
アカデミー賞授賞式は3月6日‥せめて こっちの分野では各賞で受賞できるように願ってますぅ。
そして、鑑賞した人でも このシリーズで得た知識を持って、もう一度ゆっくり鑑賞してもらいたいなぁ~って‥
今度は色彩などの映像美を感じてもらいたいなぁ~って思ってます。

でゎ、このシリーズを読んできてくれたみなさん‥
お疲れさまでしたぁ~ホントに、最後まで読んでくれてありがとうねっ★
ススス.......((((( *^)(*゜▽゜*)ゞ チュッ♪


3/8日 ++追記++

SAYURI 第78回アカデミー賞 3部門受賞しました! おめでとぅ!! (*゜▽゜ノノ゛☆パチパチ

ちなみに、受賞は‥「撮影賞」 「美術賞」 「衣装デザイン賞」 です。まさに狙い通りの
芸術部門を制覇!! 主要には逃れたけど、この映画の良さを評価してもらえたこと‥嬉しく思います♪



【TB】させてもらったニョ♪
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by fuzika | 2006-03-02 16:17 | ◇ 京都祇園@花街生活 | Comments(14)  Mail ↑TOP
Commented by amica_bambina at 2006-03-02 18:04
はじめまして。
私はこの本を原作の英語で読みました。
すごく面白い話で、夜寝る前に読むと何時間も読み続けてしまって
寝不足になるほどでした。
今はないけれど戦前は水揚げなど実際にあったのでしょうね。

>この本の著者が取材をしていた当時を生きてきた実際の芸妓から、語り継がれた真実なんだろうなぁ~
>って思うし、

ここが気になったのでコメントさせていただいているのですが
原作者が取材した芸妓さんは、岩崎峰子さんです。
彼女がこの本を読んだとき「私が話した内容と全然違う」と言って怒ったそうです。
彼女は芸者は売春しない、と言うのを強調したかったのに
この本・映画のおかげでそういうイメージが余計ついてしまったことを
悲しんでいるようです。

Commented by masagata2004 at 2006-03-03 22:14
いつも楽しんで読ませていただいております。

私もTBで、当時の照明のことを指摘させていただきましたが、実を言うと、この映画を見て以来、自分の部屋の照明を変えました。蛍光灯をやめ、やや暗めでオレンジ色のランプを使うようにしました。その方が、かえってムードがあるなって思いまして。蛍光灯は明るいけど、ムードがありません。
Commented by 造酒 at 2006-03-04 00:22 x
 さすが、藤花さん。映画を観る眼が深いですね。この光のマジックの記事を拝見すると谷崎潤一郎の「陰鬱礼賛」を想い出してしまいました。まこと、暗闇の中に日本の美は存在したのだと改めて思います。
 amica_bambinaさんのコメントで気になったこと。「今はないけれど」と書かれていますが、私はむしろ藤花さんが「現在では水揚げとか旦那さんになるお話とかは 直接本人同士が話し合ったりする時代だけど」と書かれていることに注目したいと思います。
 つまり、現在でも本人同士が合意すれば、水揚げもあるということではないのでしょうか?
 まあ、こんなことはわーわー言い立てることではないと思いつつ、ついコメントしてしまいました。
Commented by fuzika at 2006-03-04 13:18
amica_bambina さん>
はじめまして~英語版とはすごいなぁ。日本語版は全編、京都弁らしいので、もっとおもしろいみたいだね。
このシリーズの過去ログを読んでもらえればわかるけど、取材した人が岩崎さんということは知っていたけど、10年ぐらいの歳月をかけてできた本なので、岩崎さんだけじゃなく、他の方からも取材したと思ったの。
それに、お茶屋とか置屋にも実際に通った~って聞いたことあるので‥。
岩崎さんが、後に著者ともめた話も聞きました。
でも、芸者は売春婦じゃない~というのを強調したくても、水揚げという制度が そう思わざる負えないものだと私は思っています。
映画の中で、芸者と遊女の差をつけていたけど、水揚げはお金が動くし、体の関係もある‥聞こえはいいけど、結局は売春行為と一緒だと思うのです。

水揚げという制度は今でもありますよ。ただ、映画のように強制ではないし、お金も高額なので、なかなか成立しないので現状だけど‥。
この映画のイメージは確かに悪くなってしまったけど、ホンマのお話だし、私は真実が綺麗に描かれているので、大絶賛してるわけなんですぅ。
Commented by fuzika at 2006-03-04 13:25
masagata2004さん>
いつもありがとうございますぅ。照明に関してはmasagata2004さんとと同感だったので、早く記事にしようと思いながら‥ついに最終章で綴ることとなってしまいました(笑)
ほんと、照明一つであれだけ部屋のムードが変わるというか‥
私も映画鑑賞をするときは オレンジ色の間接照明でムード出すようにしていますぅ♪

造酒さん>
なかなかゆっくりメールできなくてごめんなさい。
こうして結局ネット上の交流になってしまうね (; ̄ー ̄川 アセアセ
谷崎潤一郎の「陰鬱礼賛」は知らないので、コメントできないけど‥
この映画を2回鑑賞して、2回目はいろんな角度から視点をおいてみたんです。
やっぱり2回目は 同じ職種としていろんなものが見えたので、すごく楽しかったです。
DVDが出たら、もちろん購入するつもりですっ!!
上のコメントでも綴ったけど、造酒さんの言うように水揚げは今でも存在してますよ♪滅多に成立しないけど‥。



Commented by at 2006-03-06 16:10 x
私は「陰翳礼賛」は確か高校か中学の国語でちょっとかじったような気がするんですが、読んだときは確かになあ・・・と思った記憶があります。

仏像とかでも、蛍光灯の煌煌とした明るさの元で見るより、蝋燭の明かりで下から照らされたほうが荘厳さが増すように感じます。

炎の揺らめきで起きる自然な陰影の変化が美しいものはより美しく、そして妖しく、時には畏怖を引き出すのかもしれませんね。。。
Commented by masagata2004 at 2006-03-07 00:13
アカデミー賞3部門ゲットです。おめでとうございます。
Commented by fuzika at 2006-03-08 14:26
朧 さん>
ご無沙汰してますぅ~遊びに来てもらってるのに、ナカナカそっちに行けなくてごめんなさい。
「陰翳礼賛」のことを知っているのですか?すごいなァ‥私は、勉強もできないし、本も読まないし‥ほんと恥ずかしいことですゎ。
蝋燭の光は現在でもいろんな場面で活躍しているし、言葉では全てを表現できない素晴らしいものだと思いますぅ。
暗闇に蝋燭の光、そして白塗りは本当に綺麗なんですよぉ。


masagata2004さん>
いつもおおきにぃ~うわァ!!3部門受賞ですか?
追記で綴っておきますぅ♪

Commented by ルールー at 2006-03-08 23:25 x
はじめまして。
TBいただいてありがとうございました。
というか、わたしのような記事に恐縮です。(^^;;;
舞妓&芸妓さんをやってらした方の観られた『SAYURI』の考察、とても興味深かったです。
また寄らせていただきます。
今後ともよろしくです〜☆
Commented by fuzika at 2006-03-09 17:21
ルールーさん>
お初ですぅ。いえいえ‥このたびはトラバでお世話になり、こちらこそ
ありがとうございました!
私にしか語れないようなシリーズだったので、画像もアップして結構力作の記事でした(笑)
忙しくて、あまり交流できないかと思いますが、どうぞ今後とも遊びにきてやってください♪

Commented by hide at 2006-03-15 23:03 x
『映画と秋葉原とネット小遣いと日記』のhideです。
藤花さんご無沙汰しております
アカデミー賞の記事にTB有難うございました。
《元舞妓が語る‥ 映画『SAYURI』》が全12話を数えたとは知りませんでした。
全て解りやすい文章で、写真も交え、大変貴重な物だと思います。
当ブログで
《元舞妓が語る‥ 映画『SAYURI』》の紹介記事をTBさせて頂きました
ご不満や記事の削除のご希望が有れば、直しますし、記事削除致します。
ご承認頂ければ、《元舞妓が語る‥ 映画『SAYURI』》の記事を全ての記事にTBさせて頂いてよろしいでしょうか?
お返事お待ちしてます
Commented by fuzika at 2006-03-16 13:21
hideさん>
お久しぶりですぅ~その後、お小遣い稼ぎの方は順調ですかぁ?(笑)
再びご縁があって、トラバでお世話になり、こちらこそおおきに☆
そして、今、そちらにお邪魔してビックリ!
あんなにこのシリーズを高く評価してもらって、それに1話づつリンクまで張ってもらって♪
不満なんて何もありませんよぉ~反対に感謝&感激のキモチでいっぱいです。
全ての記事へのトラバももちろんOKです!ぜひぜひ、してやってください~
じゃあ、そちらへもう一度ジャンプしますぅ!!


Commented by hide at 2006-03-22 09:03 x
『映画と秋葉原とネット小遣いと日記』のhideです。
藤花さんご返事有難うございます。遅くなってスミマセン
( ̄▽ ̄人)♪喜んで頂いて良かったです。
作品と言って良い位のものでしたから、少しでも他の方に見て貰える機会が増えれば良いですね
Commented by fuzika at 2006-03-25 10:46
hideさん>
いえいえ、私の方こそナカナカお邪魔できなくてごめんちゃい。
作品だなんて‥そんなふうに思ってもらえたことが嬉しかったですぅ♪
hideさんのブログは映画のレビューなどでいっぱいなので、また何かでお世話になるときはヨロシクお願いしますぅ!!
。.:♪*:・'(*⌒―⌒*))) スペシャルスマイル

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